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RDIブログ

育成で起こったパラダイム転換は採用でも起こるのか。3つのStepで考える変化の軌跡

RDIの鈴木です。

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24時間(花粉と)戦えますか?否、無理です。
そんなモヤモヤした時期に差し掛かり、僕個人としては一年で一番元気のない時期です。杉伐採のマニュフェストを掲げる政治家の方を切望しております。笑

さて、僕は仕事がら採用分野と育成分野を両方学ぶことがあって、最近傾向が顕著だなと思うことがあります。それは、育成分野でこれまでに起こってきた変化が採用分野でもこれから起こってきそうだな、ということです。

これを説明するために、まずは大ざっぱに育成分野における変化を紹介します。

Step1. 俺の背中を見て学べ

育成などという言葉が存在したかどうかも怪しい時代。とにかく先輩の背中を見て、先輩についていくことで暗黙知を盗み成長がなされた時代。高度経済成長で右肩上がりの時代はこのやり方でも会社が成長していたので誰にも不満はなかった。

Step2. 研修に出て学んでこい

時代の変化とともに、育成に対する考え方も変わり始め、やはり研修という場に出席して学ぶことも大事だとされた時代。研修という日常とは離れた場で実務の意味を捉え直して体系化したり、スキルそのものを習得したりすることに主眼が置かれる。研修の提供側は、研修の満足度の向上が至上命題。

Step3. 学びはトータルな視点で設計されるべき

研修は職場で必要とされる能力を向上させるための一つの手段として捉え、能力向上は実務も含めたトータルな視点で考えなければならないと気付き始めた時代(それが今です)。実務の中でいかに振り返りながら質の向上を図っていくか(reflection in action)、求められる能力を目の前の仕事に置き換えるとどういうことか、というように学習は状況に埋め込まれているという視点が求められる。


学術的には例えば行動主義や状況主義といった学習の捉え方の変化、そして学習モデルとしての経験学習モデルや正統的周辺参加モデルなどもあるのですが、そこら辺はとりあえず横に置いておきます。
また、Step1や2の学ぶが現在存在しないということではありません。どれも大事な学びであることは事実です。話を単純化するためにStepで切り分けています。

つまり育成分野では
とにかく主観 → ある切り分けた場面(研修)にフォーカス → トータルな視点で考える
という変化が起きているわけです。


僕は、この変化が採用分野でも置きつつあるなと思っています。
採用は長らくメディアが焦点となり、いかに多くの母集団を形成するかという話題が中心でした。そして長らく「いかに応募者の能力を測定するか」ということに関しては主観で行われてきています。これは育成分野でいえばStep1にあたります。

しかし、昨今この状況にようやくメスが入り、多くの企業が「面接の質をいかに高めるか」という話題に興味を持ち始めています。コンピテンシー測定の(現時点での)王道である構造化面接という言葉も2,3年前より一般的になってきた印象もあります。これがStep2です。面接とは能力を測定するための手段であり、面接の質を向上させることは大事なことであるけれど、そればかりを追いかけると大局的な視点を失います。

採用の世界は、ようやくStep1からStep2に差しかかり始めた、といったところです。

今後何年かすれば、さらにトータルな視点で採用、つまり能力測定を考えるという時期に差し掛かると思います。例えば能力測定のためには、面接という一過性の場面ではなく日常を観察したほうが確からしいともいえます。そのための手法の開発は今後進んでいくと思われます。また、テストも日々進化していますので、処理力の測定に留まらない、妥当性や信頼性ともに高いテストが開発される可能性もあります。

さらにいえば、測定した能力をいかに育成と結びつけるかという視点も今後さらに注目されていくと思います。トータルな視点で、入社後に活躍してくれる人材を獲得するために必要な施策や手法、育成との連携、現場との連携が進んでいくはずです。

まだまだ採用分野は原始時代。これからの発展に関わる存在であり続けたいと、鼻をぐずりながら考えた次第です。笑

最近読んでいる本

知がめぐり、人がつながる場のデザイン』 中原淳 英治出版
中原先生が手掛けているLearning Barの誕生秘話や設計のツボを細かく紹介する「ノウハウ流出大歓迎、どうぞパクってください」本です。笑
教育はオープンソースという中原先生の信念のもと、Learning Barをデザインするにあたり気を付けていることなどが事細かに記載されています。完成されたイベントや放送だけではなく、そのプロセスも共有するプロセスメディアという概念に注目されているので、そういった想いも込められているのかもしれません。勉強会を開催される方だけでなく、参加する方にも参考になると思います。『職場学習論』とは違って(笑)、平易に書かれています。

最近の運動

10月~1月まで順調に身体を仕上げてきたのですが、2月初旬にヒザを痛めて最近ご無沙汰です・・。青梅マラソンも散々な結果に。3月20日にはいよいよ板橋でフルマラソンを走るのですが今かなり不安です。早く治れー!

ポジティブ心理学という枠組みから現場での実効性を支援することを考える

RDIの鈴木です。

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先日株式会社人財ラボが主催するハイコンセプトクラブに参加してきました。ハイコンセプトクラブは各回テーマを設けてディスカッション、相互学習し新しい知を紡ぎ出す勉強会です。今回のテーマは「ポジティブ心理学」。AIのファシリテーターについて学んで以来、興味を持っている分野です。前向きな気持ち、言い換えれば本来的な欲求に働きかけ、そのベクトルを活用して推進力とする「ポジティブ」の手法は、何かと悲観的な話題が多く、また変化が激しく確かな未来が見えない現代だからこそしっくりくるのかもしれません。

さて、今回僕がポジティブ心理学について知ったこと。

  • ポジティブ心理学は「前向き」であることを強要するものではなく、強みにも弱みにもフォーカスする
  • 統計的なデータをもとに語る
  • これまで心理学は病をテーマに扱っていることが多かったが、普通の人がより良い生き方をすることを科学的に研究する学問である


ふむふむ。この辺り、AIやカウンセリングと似てますね。ポジティブ/ネガティブというのは「解釈」であり、解釈の対象となる事実が純然と存在しているので、それをしっかり見ましょうね、ということだと僕は理解しました。強みも弱みも、というのはAIでいえば「起こったことが、起こったことである」に代表されるように、場の事実がもっとも雄弁であるということだし。

まったく新しい概念が登場しているというよりは、これまでの知見をいかに新しいフレームで捉え直して活用するか、ということへのチャレンジですね。このチャレンジ、とても大切ですよね。手法化しようとする動きはとても興味があるので僕も追いかけたいと思います。

僕が特に興味があるのは、理論や臨床科学をベースにした現場での実効性への接続です。
ポジティブ心理学は強みにも弱みにもフォーカスするからバランス心理学と言ったほうがニュアンスは近いと聞きましたが、このバランスという言葉がやっかいです。ワークライフバランスもそうですが、バランスという言葉は一人ひとりの現場の社員が具体的な行動を取るときに何ら役に立ちません。サッカーで「バランスを大事にしろ!」と言ったところで、意味はわかりますが具体的にどうすれば良いかのヒントにはなりませんよね。

ポジティブな気持ちはもしかしたら行動のエンジンにはなるかもしれませんが、現場で働けば「やらなければならないこと」も出てきます。そのときに納得感をもって具体的な行動に結びつけるためには何が必要なのか。一人ひとりの具体的な行動のヒントになりうるような存在まで「手法化」が進めば、それは働く人にとっても価値あるものだと思いますし、僕らはそういったフレームの開発にこそ注力すべきなのかもしれません。

勉強会はいいですね。物事を考えるきっかけになります。まさに知を紡ぐ場。また参加したいと思います。人財ラボのみなさん、講師の渡辺さんどうもありがとうございました。

最近読んでいる本

U理論 オットー・シャーマー 英治出版
出現する未来』で話題になったU理論がそのままタイトルとなった著書です。
行動の質を上げたり創造するためには過去から学ぶPDCAサイクルが有名な手法であり、まだ現実にPDCAサイクルを超えて浸透している手法はまだないのではないかと思います。
U理論は過去ではなく未来から学ぶことを手法とした理論です。『出現する未来』を読んだのも4年くらい前なのでU理論のことを「事実を事実として場の全員が共有する」くらいにしか覚えていないので、しいかり学びたいと思います。

最近の運動

1月30日に新宿シティハーフマラソンに参加してきました。スタート直後かなり混雑して、入りの5キロが27分30秒かかってしまいましたが何とか挽回して1時間44分20秒でゴール。目標の1時間45分切りを達成しました。さて次回は地元板橋区の前野町というところで開催される前野町マラソン。たった3キロですが、全力疾走してきます!

M-1から学ぶ人が人を評価することの難しさ

RDIの鈴木です。

今年がラストイヤーだったM-1グランプリは笑い飯の優勝で幕を閉じましたね。10年連続で決勝に進出していながらも優勝には縁がなかった笑い飯。優勝が決まった瞬間の西田の「やっとかー!」の叫びにM-1にかけてきた情熱が見て取れたような気がしました。笑い飯のお二人、おめでとうございます。

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そんなM-1を見ていて、人事の観点から気になったことが2つありました。お笑いはアートの世界なので人事とは異なる点が多いと思いますが、人が人を評価するという点においては共通です。

まず気になったこと1つ目。それは評価の理由が場当たり的で危ういということです。
ある審査員が芸人のネタに対してこのようにコメントしていました。

「もう少し新規性がほしいですねー」

そう思ったのも事実なのでしょうが、これは危ういコメントだと感じました。例えば優勝した笑い飯には新規性というものはもはやありません。ネタの構成は似通っていて、だけどおもしろい。素人の僕がとやかくいうのはよくないですが、新規性を持ち込めばよいというものではないはずです。

人事の世界でも同じ危うさを感じることがあります。評価の理由に場当たり的なコメントをしたり、方法論としての正しさではなく方法の提示に留まっていたり。お笑いは主観でOKですが、人事はそうはいきません。なるべく主観を排除して科学を持ち込むべきです。


そして気になったこと2つ目。それは評価に統一感がないということです。
ここでいう統一感とは、そもそもM-1ではどのようなお笑いを評価すべきなのかという理念に近いものです。
ある審査員が芸人のネタに対して辛口評価をして、このようにコメントしていました。

「漫才というのは掛け合いだから、どうも一人よがりでしたねー」

これは僕もそう感じました。このコンビはピン芸人でいいと思うくらいです。しかし、M-1ではそういう点は関係ないと思っていました。なぜならコントをやってもこれまで何も言われてこなかったからです。漫才とはいいつつも、とにかくおもしろければ何でもいい、それがスタンスだと思っていました。

この芸人のネタは僕は笑いました。おもしろかった。ただ、確かに掛け合いじゃなくて一人よがり。それは否めない。でもそれはいいじゃないか、と思うのです。だって、それを言うなら予選で落とすべきでしょう。決勝に来ていきなり「一人よがり」と言われては、じゃあ他のコントとかはいいのでしたっけ?という話になる。そういう意味で統一感がないのです。

これも人事の世界でよくありますね。一次面接で評価されたことが二次面接ではまったく評価されない、など。こういう統一感のなさ、設計不足はよくないですね。設計を支援する身として気をつけなくては、と改めて感じました。

評価は難しいですね。ドラゴンボールのスカウターのようなもので、人のエネルギーやモチベーションなどが数値で測定できるようになるまでは、この難しさはずっとつきまとうと思います。人が人を評価する。完璧さを求めるのではなく、少しでも打率をあげるために僕らももっと勉強しなければです。

最近読んでいる本

職場学習論 中原淳 東京大学出版会
職場における学習、特に人とのかかわりから我々は何を学び、どのように成長しているのか。この問題に正面から取り組んだ検証結果をまとめた本です。この本の価値は、普段我々が口にしている「飲みニケーションが有効なんだよ」「職場内の会話が減ったから若手が育たないよな」といった仮説を統計的に検証した点にあります。統計についての専門用語が登場しますが、その意味がわからなくても読み進められるように図を用いて解説してくれています。少々高いですが、その価値は十分にあります。

最近の運動

12月もランは100キロを超えそうです。自転車通勤にフットサルと、スポーツの話題には事欠きません。笑

交換か統合か、それが問題だ

RDIの鈴木です。

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先週、サッカー日本代表選手の待遇改善を求めてプロサッカー選手会が声明を発表したとのニュースが流れました。
スポーツナビ | サッカー|日本代表|ニュース|藤田、三浦知らがアピール 日本代表の待遇改善で

これは動機づけの話題ですね。他国と比べて選手に対する支払い比率が低いから改善せよ、という意見はまったく意味がありません。考えるべきは、動機づけをどのように設計するか、という観点です。

成果・活躍などに対して金銭で報いるやり方は、成果と金銭を交換しているので交換パラダイムと呼ばれます。これは、眼に見える形での報酬によって動機づけを行う外発的動機づけですね。外発的動機づけは有効ではありますが、行動経済学で明らかにされているように人は絶対的な評価や金額ではなく、他人との比較で比べる傾向があります。今回の日本代表の件も、「J1の試合より低い」「他国より低い」と報道されているのが何となく正しそうな意見に聞こえてしまうのもこうした心理的な側面によります。

一方で、大局的に見れば日本サッカー協会と日本代表選手は敵ではなく同じベクトルを向いた味方のはずです。協会が謳う「日本サッカー界の発展」に寄与できるのは選手としても名誉なことであると思います。このように、同じ方向を向いて活躍することで承認や認知、名誉などを得る(与える)やり方は統合パラダイムと呼ばれます。これはいわば内発的動機づけですね。

金銭的な報酬は定量的な評価なので分かりやすいですが、相対比で求めていくとキリがないので注意する必要があります。また、仮に自身は金銭的な報酬は気にしていないという人がいたとしても、勝利給があるとき20万円から15万円に下がればやはり動機づけに影響があることは否めないでしょう。上昇は要求することがあっても減少は許されないとなれば、協会の立場からすればベースアップは慎重にならざるをえません。

また、このような実験結果もあります。
あるゲームを2つのグループに実施させました。一方のグループにはゲームに勝つと報酬を与え、もう一方には何も与えません。そしてあるとき、これまで報酬を与えていたチームへの報酬を取りやめました。すると、これまで報酬を与えていたチームはゲームへの取り組み姿勢に悪影響が出たのに対し、最初から報酬を与えていなかったチームは、ゲームの勝利そのものへの欲求により取り組み姿勢は積極的なまま保たれたそうです。

選手に対して正当な評価はするべきとは思いますが、比較論だけで語っていては危険だな、と思った次第です。ファンとしては日本代表の勝利が観たいので、協会としてうまく設計してもらいたいなと思っています。

最近読んでいる本

新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか 樋口弘和 光文社新書
構造化面接の重要性と、採用と育成をシームレスにつなげることの重要性を謳っている本です。内容はさらっとしていて簡単に読めると思います。

最近の運動

12月11日に友人と駅伝に参加してきました。1区の10キロの部に参加して、43分20秒で2区にタスキを渡しました!タスキを渡す瞬間は興奮しますね~。タイムも満足できるものでしたし、この調子で来年もランをがんばりたいと思います!

仮説思考でイノベーションを。エスノグラフィから考えるパースの理論

RDIの鈴木です。

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NIKKEI DESIGN12月号のトピックスに、博報堂が人類学の手法でイノベーションを支援するコンサルティング専門チーム「ETHNOVISION(博報堂プレスリリースのPDFが開きます)」を立ち上げたという記事が掲載されていました。チーム名はエスノグラフィとビジョンから取っているようですね。エスノグラフィとは文化人類学や社会学で用いられる質的調査法で、人々の生活に密着して行動を詳細に観察し、そこから行動パターンやルールを抽出する手法です。

この手法で有名なのが、IDEO社ですね。特に、「地下鉄の自動販売機の売上アップ」に関するIDEO社の取り組みは様々なところで紹介されていましたのでご存じの方も多いと思います。博報堂はIDEO社とも提携してこの分野での事業展開を進めるそうです。

こういった手法が注目されるのは、これまでの演繹的なアプローチだけでは立ち行かなくなったことを示していると思います。マーケティングが科学かどうかは怪しいですが、それだけでは消費者のニーズに応えきれていない、もしくはさらなる潜在ニーズを発掘しきれていないということなのでしょう。

哲学者のパースは、ルール(前提)とケース(事実)とリザルト(結果)の3つを組み合わせることで演繹、帰納、仮説思考を説明しています。

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演繹とは前提から下におろしていく手法ですので、ルール→ケース→リザルトの順です。

帰納とはケーススタディに近いものですので、ケース→リザルト→ルールの順です。

そして仮説思考とは、点である事象をつぶさに観察しそこから行動パターンやルールを抽出する手法ですので、リザルト→ルール→ケースの順です。

ETHNOVISIONが目指すのは、とにかく生活の実態を観察し、その結果から前提を導き出してケース化して提供するという仮説思考そのものですね。帰納と演繹だけでなく、第三の視点としての仮説思考(abduction)は自分の仕事でも忘れないようにしたいですね。

最近読んでいる本

これからの正義の話をしよう マイケル・サンデル 早川書房
流行りの本をご多分に漏れず読んでみました。自分の主張の拠り所が一体どこにあるのか、とても考えさせられる本でした。社会全体の効用の最大化なのか、自分のことは各自で自由にしていいのか、それともカントの哲学のように利益を度外視した「正しさ」のためなのか。
これらの論拠は価値観に依るところが大きく、理論からは導き出せません。想いや動機にどこまで論拠を持たせるのかの是非はありそうですが、そのことについて考えさせられるだけでも一読の価値はあると思います。

最近の運動

12月5日に横浜ハーフマラソンに参加してきましたが、撃沈しました・・。目標1時間45分で、手元の時計で1時間49分50秒。前半は快調に飛ばしたものの後半失速。いつものパターンで、前回の教訓を活かさずに同じ過ちを繰り返してしまったというやつです・・。
次のレースは12月11日にKDDIとアディダスが主催するEKIDEN GRAND PRIXです。10キロの部で走ってきます!

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