一連の「大卒2割が就職できず」について思うこと
- 投稿日: 2010-08-16
- カテゴリ: 日々の記録
RDIの鈴木です。
話題になったのでご存じの方が多いと思いますが、読売新聞が8月6日付の朝刊トップで大卒2割就職せずと大々的に報じ、議論の的となりました。
そのきっかけは脳科学者の茂木健一郎さんのTwitterでの連続ツイートです。内田樹(たつる)さんがブログ記事「日本の人事システムについて」でその全文を引用していますので詳細はそちらをご覧頂きたいのですが、概要は以下の通りです。
- 大学3年の夏から始まる日本の新卒採用の慣習は明らかに異常
- 新卒一括採用は経営的に合理性を欠く、なぜなら組織を強くしようと思ったら多様な人材を集めることが合理的だから
- なぜ「履歴書に穴がある」というくだらないことを問題にするのか
- 過去に都銀を1ヶ月で辞めて4年間ふらふらした後にマッキンゼーでインターンしたら即採用となった人物がいる
- 新卒一括採用にこだわると彼のような人材を見逃していることになる
- 就職も進学もしなかった2割の大卒の諸君、君たちこそが日本の希望である
- 新卒一括採用に出遅れると優秀な人材が確保できないと考えるのは幻想、本当に優秀な人間はそんな決まりきったレール以外のところにいる
しかし、この話には採用を実施するにあたり最も本質的で根幹的な点が欠けています。それは、「ではその優秀な人材をどのようにして見極めるのか」についてです。その見極め、すなわち「この応募者は採用後に活躍してくれる人材になる」という仮説を担保できる理由が見つからなければ、採用には至らないはずです。
経営合理性、とても重要です。ただ、見極めが主観的であればそれこそ経営合理性を欠く行為に他ならないでしょう。大切なことは、履歴書に穴があいていたり4年間ふらふらしていたりしたことをどうこういうことではなく、「なぜその応募者を合格にしたのか」について経営合理性も伴って責任を持って採用担当者が説明することです。そのためには、自社で活躍してくれる人材とはどのような人材であるかの調査・分析が必要ですし、能力とは何か、そして能力を測定するとはどういうことか、という理論と実践の統合が常に必要なはずです。その本質的で根幹的な議論なしに、「就職していない2割が希望だ」「本当に優秀な人材はレールの外にいる」と断じるのは早計だというのが、僕の考えです。
RDIも「問いかけ」が話題になるくらい影響力のある存在になれるよう、日々積み重ねながら情報発信を続けていきたいと思います。




